岬ちゃん早く来てくれ!

学校出てから十余年、今じゃワープア低賃金。

NINJA GAIDEN 3: Razor's Edge の感想

 ニンジャガ3は評判が悪かったらしい。とにかくボロクソに叩かれた結果、Team NINJAは一年も経たずにWiiUで修正版を発売した。更に半年も経たずにそれをPS3箱○に移植したのが今作である。修正版の評価は「3よりはマシ」だそうだ。そんなソフトに強気のフルプライスを付けていたので私は購入を躊躇っていたのである。

 ところが最近調べてみるとPS3版は実売価格2500円のベスト版が発売されていることとWiiU版は1000円前後を上下する投げ売り価格になっていることがわかった。この価格なら掴まされても痛くはないと購入を決めたのだ。1500円安くてもWiiUのコントローラーはあれなのでPS3版に決定。

 

 今作の大きな特徴は新しく搭載された断骨だろう。断骨は敵の強溜め攻撃モーション中にハヤブサの強攻撃を当てると発動するカウンター技なのだ。断骨には「一撃死」「周囲の敵に連鎖」「気力ゲージ回復」「体力回復」「カルマ(スコア兼経験値)が高い」と優れた能力が設定されている。ニンジャガ3REは新能力の断骨をずいぶんプッシュしているなという感想だった。なぜならば断骨以外のハヤブサの能力が弱体化しているからだ。

 今作の敵は回避性能が高い。さらにハヤブサの隙も大きくなるよう調整されているので、通常攻撃メインだと時間と体力を消耗しがちである。また絶技引導も廃止されているため、短時間で高火力を叩き込む手段に乏しい。

 さらにアイテム制も廃止されており、主な回復手段は忍法を敵に当てるか断骨で敵を倒す事に限られている。

 そして忍法は気力ゲージをMaxまで溜める事で発動できるよう変更されている。その気力は滅却やコンボでも溜める事ができるのだが断骨で溜まる量に比べるとわずかである。

 これらのように弱体化したハヤブサの能力を断骨で埋め合わせるかのような設定のため、どうしても戦闘のメインが断骨になってしまうのだ。

 さてそんな断骨システムは実際に使うとどんな感じだろう。敵の攻撃を掻い潜りチャンスを逃さず断骨を決める。断骨は連鎖して周囲の敵を巻き込み一気に倒す。その爽快感は通常攻撃での敵の倒しづらさも相まってなかなかのものだ。……が本当に断骨で倒してしまいたい強くて鬱陶しい雑魚に限って、断骨や連鎖断骨の対象外だったりする。ここはたとえ発動条件を厳しくしても全ての敵に断骨・連鎖断骨を決める事ができるようにして欲しかった。

 

 ニンジャガ2では1にあったアドベンチャー要素を切り捨ててアクションをメインに据えたのに、今作はアクションを楽しませる障害になるような新要素がたくさん追加されている。何度も何度も強制されるムササビダイブやクナイクライムなどQTEがその代表だ無印ではQTEがもっと多かったらしいのが恐ろしい。他にもハヤブサをただ歩かせるだけのイベントシーンや、敵の攻撃から逃げるため画面手前(もしくは奥)に走り続ける場面などはなぜムービーにしなかったのかわからない。

 ニンジャガ3ではストーリーに力を入れる旨のインタビューを見たことがあるが、映画的演出に力を入れているFPSソフトからシステムを真似たのだろうか。ジャンルの違いを考慮せずに安易に持ってきてもしかたがないと思うのだが。

 そしてそのストーリーだがいまいち魅力を感じなかった。格好悪いんだ、今作のハヤブサは。

 

 チャレンジ精神は買うが煮詰め方が足りないソフトと言った印象。戦闘システムの大幅な変更は前向きに評価したいものだが……。あと製作側が過去作で何が魅力だったかを理解してない節があるのが残念。