岬ちゃん早く来てくれ!

学校出てから十余年、今じゃワープア低賃金。

The Last of Usの感想

ゾンビ菌によって崩壊したアメリカを舞台に、ある目的のために旅をする中年男ジョエルと少女エリーの物語。
ゲームジャンルはサバイバルホラーになるのかな。
ストーリーが進むに連れてジョエルとエリーの間に絆が芽生え、深まっていくのが見所かと。

エリーは戦闘の役に立ってないんだけど(邪魔にもならないけど)シナリオの都合で離れ離れになってジョエル一人で行動する場面になると、とたんに心細くなるから不思議。
エリーの描写が上手いんだろうね。
ただそこにいるだけじゃなくて、所々に子供らしさとかエリーの存在を感じさせる演出を挟むから居なくなった時の孤独感が大きいのかな。
役に立たないのに隣にいると心強いNPCってのは初めてかもしれない。

キャッチコピーに「プレイする映画」とあるように、ゲームの半分くらいがムービーだったり歩きながらNPCたちと会話したりと言った感じで、アンチャーテッドと同じ流れになってる。
ストーリーを見せるゲームだから2周目3周目とやり直すゲームじゃなくて最初の1回だけ楽しめるタイプ。
2周目からは敵の巡回ルートとかゾンビの出てくるタイミングとかわかっちゃってるしね。
ただ今作は同行してるエリーが色々伏線を張っていたりするので、2周目は1周目のストーリーを頭に入れて遊ぶと「あのエリーの行動はここで事前準備してたんだな」みたいな楽しみ方が出来るかも。
トロコンには3周やらなきゃいけないんだけど3周はちょっとキツい。

グラは綺麗だなあと思う反面この辺りがPS3の限界かと思う場面もあった、この辺はPS4に期待。
表情から心情を読み取らせるために人物メインで力を入れてるのかな。
かと言って背景がダメってわけじゃなくて背景も十分綺麗なんだけど。
細かいことだけど今作は登場する女キャラがゴリラじゃないのがうれしいね。
細かな部分まで作りこんだグラフィックは「プレイする映画」を映画として成り立たせている。

ゲーム部分はTPSなんだけどかなり癖がある。
照準が震えていて狙いが定めにくかったり、銃自体の攻撃力が低かったりと敵を倒すのが結構難しい。
不便さは恐怖心を高めるためにわざとやってるんだろうな。敵を簡単に倒せたら怖くないもの。
公式が推奨する攻略法は「ステルスして背後から絞め落とす」や「見つからないように隠れて進む(やり過ごす)」なんだろう、きっと。
特に序盤は持ってる武器が少なくて弱いんでなかなか歯ごたえがあるステルスゲームになってると思う。

ステルスはゲーム的なステルスで、結構いい加減に隠れても見つからなかったりする。
ただ前方だけ気にしていると、死角から敵が近づいてきて発見されるので終始気を抜けないね。
ちなみにエリー等NPCは敵の前をいくら横切っても見つかったことにならない。
これは賛否両論だけれどもリアルさを捨ててゲームの快適さを選んだのは英断だと思う。

BGMは耳に残らなかったというかあるのか無いのかわからないレベルだった。
(まだ聞いてないけど)サントラがあるということはBGMがあったんだろうけれどさ。
BGMより隠れている時に聞こえてくる敵の足音とか会話とかゾンビのうめき声等が緊張感やホラーな雰囲気を盛り上げるのに役立っていて印象に残ってる。

アンチャーテッドでお馴染みの雲梯ロッククライミングとか遺跡をあれこれして道を進むとかめんどくさい要素がなくなってるのは好印象。
sixaxisを使った綱渡りも無くなってくれた。

アイテムや銃弾が限られてるとかステルスゲーとか言われていたけれども、難易度中級ではアイテムに困ることもなかったし銃弾も豊富に手に入るしでゴリ押しも可能だった。
最高難易度だとアイテムがなかなか手に入らなくなるんで、ステルスキルや無視して先に進むとかが必要になるけどね。
それでも「弾薬が少ない時に敵を倒すと弾薬をドロップする救済措置」のお陰でまず詰むことは無いんじゃないかな。

詰むことが無いといえば、アドベンチャーゲームにありがちな「次に進む場所がわからない」が無かったのは素晴らしい。
自然に目的地や進み方がわかるように誘導してくれてる。
地味だけれどこの手の親切さはありがたいね。

初プレイ時はやめどきが見つからないくらい引き込まれて、熱中して遊ぶことが出来たな。
PS3最後の大作にふさわしい出来だったと思う。
The Last of Usの続編は作らないそうだけれど、「プレイする映画」は作り続けて欲しい。

そういえばサントラをPSNで落とせたけれどPS3でしか聞けないのかね。
WalkmanとかiPodで聞きたいんだけど。